茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
「百子、胃のムカつきはいつからだ? ひょっとして今朝からか?」
「うん……そうだよ。よく分かったね」
今朝は箸が進んでなかったと、しれっと告げた陽翔だったが、そんなことはどうでもいいとばかりに首を振って、さらに百子に尋ねる。
「体がだるいとかは無いか? 目眩とかは?」
「……今日が一番だるいよ。目眩は今日職場であったけど、何で分かるの?」
「いや、何となくだ……ちょっと待っててくれ、確かめたいことがある」
陽翔はブツブツ言いながら立ち上がって、炊飯器の釜に残っているご飯を百子に突きつける。百子は後ずさっていたが、腹の底からこみ上げる感触が無いことに気づき、首をひねった。
「あれ、吐き気、しない……?」
「ご飯を炊いたら気持ち悪くなったんだよな? でも冷えたご飯は何ともないのか」
陽翔は釜を台所に戻してから、ずいっと顔を近づけて百子の瞳を覗き込む。
「百子、今月生理来てないだろ」
「え?! う、うん……いつもより2週間遅れてるけど……ねえ陽翔、さっきから私のことに詳しすぎない?」
月経の件は、始まった時と終わった時に陽翔に告げているだけなのだが、まさか周期まで把握されているとは思わず、彼の言葉に目を白黒させて口をわななかせる。
「夫が妻の生理周期を知ってても、何ら不思議でもないだろ」
絶句した百子をよそに、陽翔は何度か頷いて百子を立たせ、そのままマンションを出る。
「よし、百子。俺が運転するからもう一回病院行くぞ。今はしんどいかもしれないが、今日のうちにはっきりさせた方がいい。吐き気とだるさの原因をな」
陽翔は未だに目を回している百子を車に押し込め、そのまま車を発進させる。月経の周期を把握されている件がたいそう衝撃だったため、放心したままの百子は、陽翔の行きつけの病院に行くのだと信じ込み、彼のされるがままになっていた。そして目的地の病院に入り、診察を受け、その結果を聞くと、百子は今度こそ言葉を完全に失った。
「茨城さん、おめでたですよ。妊娠5週目ですね。まだ胎児ではないですが、あと4週間もしたら、赤ちゃんの動きがわかるようになりますよ」
「うん……そうだよ。よく分かったね」
今朝は箸が進んでなかったと、しれっと告げた陽翔だったが、そんなことはどうでもいいとばかりに首を振って、さらに百子に尋ねる。
「体がだるいとかは無いか? 目眩とかは?」
「……今日が一番だるいよ。目眩は今日職場であったけど、何で分かるの?」
「いや、何となくだ……ちょっと待っててくれ、確かめたいことがある」
陽翔はブツブツ言いながら立ち上がって、炊飯器の釜に残っているご飯を百子に突きつける。百子は後ずさっていたが、腹の底からこみ上げる感触が無いことに気づき、首をひねった。
「あれ、吐き気、しない……?」
「ご飯を炊いたら気持ち悪くなったんだよな? でも冷えたご飯は何ともないのか」
陽翔は釜を台所に戻してから、ずいっと顔を近づけて百子の瞳を覗き込む。
「百子、今月生理来てないだろ」
「え?! う、うん……いつもより2週間遅れてるけど……ねえ陽翔、さっきから私のことに詳しすぎない?」
月経の件は、始まった時と終わった時に陽翔に告げているだけなのだが、まさか周期まで把握されているとは思わず、彼の言葉に目を白黒させて口をわななかせる。
「夫が妻の生理周期を知ってても、何ら不思議でもないだろ」
絶句した百子をよそに、陽翔は何度か頷いて百子を立たせ、そのままマンションを出る。
「よし、百子。俺が運転するからもう一回病院行くぞ。今はしんどいかもしれないが、今日のうちにはっきりさせた方がいい。吐き気とだるさの原因をな」
陽翔は未だに目を回している百子を車に押し込め、そのまま車を発進させる。月経の周期を把握されている件がたいそう衝撃だったため、放心したままの百子は、陽翔の行きつけの病院に行くのだと信じ込み、彼のされるがままになっていた。そして目的地の病院に入り、診察を受け、その結果を聞くと、百子は今度こそ言葉を完全に失った。
「茨城さん、おめでたですよ。妊娠5週目ですね。まだ胎児ではないですが、あと4週間もしたら、赤ちゃんの動きがわかるようになりますよ」