神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
神聖アーリヤット皇国とルーデュニア聖王国の微妙な関係は、私も知るところだ。
「…では、あなたは…ナツキ様の命令を受けてルーデュニア聖王国に…?」
「そうだよ」
…ということは…。
「ルディシアさんと同じ目的で…」
イーニシュフェルト魔導学院を襲ったネクロマンサー。ルディシア・ウルリーケさん。
彼もまた、アーリヤット皇国の『HOME』から来たと言っていた。
つまりマシュリさんは、ルディシアさんの同僚だったということだ。
しかし。
「…ルディシア?」
マシュリさんは、ルディシアさんをご存知ではなかった。
「あなたの同僚じゃないんですか?イーニシュフェルト魔導学院に来た…ネクロマンサーです」
「あぁ、ネクロマンサー…。…そういえばいたね。死体を弄ぶ悪趣味な魔導師」
同僚だったはずなのに、その程度の認識しかないとは。
「仲間ではないんですか。ルディシアさんは、あなたの…」
「同じ組織に所属していたというだけだよ。言葉を交わした記憶もない」
「…」
それなら、ルディシアさんもマシュリさんをあまりよく知らないのかもしれませんね。
ルディシアさんがルーデュニア聖王国に来たのは、単なる暇潰しだと言っていた。
しかしマシュリさんは、自分がここに来たのは皇王の命令だと言った。
恐らくこれは、ナツキ様がルディシアさんとマシュリさん、お二人の性格を考えてそれぞれに指示を出したからだろう。
ルディシアさんは自由奔放な性格をしているから、人に命令されることを嫌う。
頭ごなしに命令せず、ルディシアさんの興味を駆り立てるように、あくまで暇潰しの一環としてルーデュニア聖王国に送り込んだ。
一方生真面目なマシュリさんに対しては、はっきりと命令して任務をこなすように言いつけた。
この様子だと、ルディシアさんとマシュリさんは同じようにルーデュニア聖王国に派遣されていながら、互いに協力することはなかったようだ。
それぞれがそれぞれの方法で、同じ目的を達成しようとしている。
全てが、ナツキ様の思うがまま…。
「ネクロマンサーは失敗したんだね」
「…えぇ。今は私達のもとに…ルーデュニア聖王国に亡命していらっしゃいますよ」
今ルディシアさんは、正式にルーデュニア聖王国の庇護下にある。
彼がアーリヤット皇国に帰ることはないだろう。
「亡命…?…節操がないね」
「…あなたも、そうしては如何ですか」
ルディシアさんという前例があるのだから、あなたも同じようにして良いんですよ。
「ルーデュニア聖王国を、あなたの居場所にしませんか。このようなことをするのは、皇王様に命じられたというだけで、あなたご自身の意志ではないでしょう?」
「…」
「それとも、皇王様に何かご恩があるのですか?」
そう尋ねると、マシュリさんは強く唇を噛み締めた。
…?
「…恩なんかないよ。そんなもの…」
「…では、何故…?」
好きでナツキ様の命令を聞いているのではないんでしょう。
それとも、何か弱みを握られて…。
「…他に、何処に行けって言うんだよ?」
マシュリさんは、じろりと私を睨みつけた。
「…では、あなたは…ナツキ様の命令を受けてルーデュニア聖王国に…?」
「そうだよ」
…ということは…。
「ルディシアさんと同じ目的で…」
イーニシュフェルト魔導学院を襲ったネクロマンサー。ルディシア・ウルリーケさん。
彼もまた、アーリヤット皇国の『HOME』から来たと言っていた。
つまりマシュリさんは、ルディシアさんの同僚だったということだ。
しかし。
「…ルディシア?」
マシュリさんは、ルディシアさんをご存知ではなかった。
「あなたの同僚じゃないんですか?イーニシュフェルト魔導学院に来た…ネクロマンサーです」
「あぁ、ネクロマンサー…。…そういえばいたね。死体を弄ぶ悪趣味な魔導師」
同僚だったはずなのに、その程度の認識しかないとは。
「仲間ではないんですか。ルディシアさんは、あなたの…」
「同じ組織に所属していたというだけだよ。言葉を交わした記憶もない」
「…」
それなら、ルディシアさんもマシュリさんをあまりよく知らないのかもしれませんね。
ルディシアさんがルーデュニア聖王国に来たのは、単なる暇潰しだと言っていた。
しかしマシュリさんは、自分がここに来たのは皇王の命令だと言った。
恐らくこれは、ナツキ様がルディシアさんとマシュリさん、お二人の性格を考えてそれぞれに指示を出したからだろう。
ルディシアさんは自由奔放な性格をしているから、人に命令されることを嫌う。
頭ごなしに命令せず、ルディシアさんの興味を駆り立てるように、あくまで暇潰しの一環としてルーデュニア聖王国に送り込んだ。
一方生真面目なマシュリさんに対しては、はっきりと命令して任務をこなすように言いつけた。
この様子だと、ルディシアさんとマシュリさんは同じようにルーデュニア聖王国に派遣されていながら、互いに協力することはなかったようだ。
それぞれがそれぞれの方法で、同じ目的を達成しようとしている。
全てが、ナツキ様の思うがまま…。
「ネクロマンサーは失敗したんだね」
「…えぇ。今は私達のもとに…ルーデュニア聖王国に亡命していらっしゃいますよ」
今ルディシアさんは、正式にルーデュニア聖王国の庇護下にある。
彼がアーリヤット皇国に帰ることはないだろう。
「亡命…?…節操がないね」
「…あなたも、そうしては如何ですか」
ルディシアさんという前例があるのだから、あなたも同じようにして良いんですよ。
「ルーデュニア聖王国を、あなたの居場所にしませんか。このようなことをするのは、皇王様に命じられたというだけで、あなたご自身の意志ではないでしょう?」
「…」
「それとも、皇王様に何かご恩があるのですか?」
そう尋ねると、マシュリさんは強く唇を噛み締めた。
…?
「…恩なんかないよ。そんなもの…」
「…では、何故…?」
好きでナツキ様の命令を聞いているのではないんでしょう。
それとも、何か弱みを握られて…。
「…他に、何処に行けって言うんだよ?」
マシュリさんは、じろりと私を睨みつけた。