神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
「学院のOBにね、探索魔法がとっても上手な子がいて。その子に連絡を取って、いろりちゃんを探してもらうよ」

シルナはそう言って、二人の女子生徒を宥めた。

「ほ、本当ですか…?」

「うん。きっと見つかるからね、大丈夫。安心して」

「…はい…」

よし。少しは泣き止んだようだな。

「さぁ、もう下校時間だよ。学生寮に戻って。明日にはいろりちゃんが何処にいるのか分かるはずだよ」

人探しならともかく。

猫の「痕跡」を辿ることくらい、エリュティアにとっては朝飯前のはずだ。

長くとも、一晩あれば充分だろう。

エリュティアがいろりの居場所を突き止めてくれれば、あとは俺とシルナで迎えに行こう。

それで解決だ。

問題は…いろりの居場所を見つけたとして。

いろりが、その…元気でいてくれれば良いのだが。

こればかりは、保証書をつける訳にはいかなかった。

死期を悟ると一人になる…というあの猫の習性は、本当なのだろうか。

猫飼ったことないから、分からないけど…。

…いずれにしても、まずは居場所を突き止めないことには始まらないな。

もしかしたら、ちょっと冒険のつもりで学院の外に出た結果、帰り道が分からなくなっただけかもしれないし。

全ては、いろりの状態を確認してから判断しよう。
< 79 / 699 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop