神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
女子生徒二人を宥めすかして、学生寮に戻してから。

「よし、それじゃ早速…エリュティア君を呼びに行こうか」

任務で留守にしている…とかじゃなければ良いな。

まさか、猫一匹の為に帰ってきてもらう訳にはいかないし…。

「学院の外に出て探してこようか?」

と、令月が聞いた。

「これから夜になるし、そうしたらもっと探しやすくなるから」

普通は逆なんだけどな。昼間の方が明るくて探しやすくないか?

しかし、夜行性の元暗殺者組にとっては、夜の方が活動的に動けるらしい。

「僕と『八千歳』で手分けして探したら、探索魔法?っていうのに頼らなくても、見つけられるかも」

「いくらでもきょーりょくしてあげるよ。猫がいなくなったって知ったら、ツキナもショック受けるだろーし」

令月に加えて、すぐりもそう言った。

それは頼もしいんだけど…。

「お前らは生徒なんだから、夜に学院の外に出るなよ」

いくら人探し、いや、猫探しの為でも。

「え?今更じゃん」

そりゃ今更なんだけど。

「とりあえず、エリュティアに声をかけてからだ。エリュティアが任務で帝都にいないってことになったら、そのときはお前達に頼むよ」

不可抗力って奴だ。

勿論俺達も手分けして探すが、生憎俺達に物探しの才能はないからな。

令月達みたいに、夜目が利く訳でもないし。

闇雲に街中を走り回ることしか出来ない。

それで見つかれば良いんだが…。

「まずはエリュティアに頼もう。シルナ、今すぐ聖魔騎士団に…」

「そうだね。完全に日が暮れる前に、早く行こう」

そう言って、俺とシルナが学院長室を出ようとした。

そのときだった。

「よー…。…お邪魔」

「えっ…?」

突然、学院長室の扉が開いたかと思うと。

そこに意外な人物が姿を現した。
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