授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜
「史菜、ちょっといい?」
「……どうしたの?」
「これを渡したくて……」
お母さんは封筒をひとつ持ってきて私に渡す。
宛先には見たことのある筆跡で私の名前が書いてあって、裏を見ると【滝脇敬一郎】と祖父の名前が書かれていた。
「これは……?」
「お父様からの手紙よ。最期にね、貴女に書いていたの。会ってくれないだろうからって」
「……え?」
「お父様は、不器用なのよ。あぁでしか、生きられない人……きっとその手紙を読めばお祖父様、いや、滝脇敬一郎という人となりがわかると思うわ。あの人のこと、許さないでいいの。でも、あの人にもあの態度や滝脇に執着していた理由があるって知って欲しくて」
そう言われ、私は封筒を見つめると「お墓参りする前に呼んでもいい?」とお母さんに問いた。