不滅のユースティティア。
『はっ…、はあ…!はっ、……もう…、なんで……っ』
だれかが、走っている。
まだ10歳にも満たないだろう少年が、小さな赤子を腕に抱えて夜道を走っていた。
燃えるような太陽。
暗い夜だというのに、背後に広がるは赤。
『シド兄ちゃん…っ、セーカ姉ちゃん……!!』
どこへ行くのだろう。
どんどん赤色から離れて、山々の広がる森へと向かってゆく少年。
ピンクブラウンの髪を揺らして、珍しい黒髪の赤子を腕に、人の気がない場所へ一心不乱に走っていた。
『あーっ、うっ!』
抱っこ紐で繋がれた赤子が声を発せれば発するほど、反対に少年の頬を涙が濡らしてゆく。
母親でもなく、父親でもない。
少年の小さな腕のなか、赤ん坊は手を伸ばして無邪気に笑っていた。
『江架はここにいるからっ、おれが守るから…っ、ぜったい死ぬなよシド兄ちゃんとセーカ姉ちゃん……っ』