不滅のユースティティア。
氷のシールド、氷のシェルター、氷のベッド、氷のおもちゃ。
すべて氷属性が得意とする造形魔法。
わずか9歳の少年がここまでの数を同時に創り出すなど、普通はできるものではなかった。
『おぎゃぁぁああーーーっ』
そしてようやく、いつもと比べて完全ではない温もりに気づき、赤子は泣き声を出す。
少年はすぐに魔法で揺りかごを創り、そこに赤ん坊を寝かせた。
しかし泣き止まないので、慣れた動作で抱き上げる。
『っ、だいじょうぶ…、大丈夫だから泣くな、江架…』
『うぎゃぁぁぁん……っ』
『…正義は…勝つんだ、ぜったい勝つんだ…、魔法は不滅の正義なんだ…っ、そうだろシド兄ちゃん…っ』
燃える大地、割れた大陸、大きな爆発音。
数ある上級魔法士が揃っていたとしても、あんなの敵いっこない。
それは今から15年前、とある強大な魔力が暴走した日のこと。
ふかいふかい森のなか。
赤ちゃんの私は、兄である少年と一緒に泣いていた───。