不滅のユースティティア。
「レオンハルト、ここはお前に任せてよいか」
「ああ」
「小娘の魔力コントロールを完璧にさせるのじゃ。それしか希望は持てぬ。この任務は───」
「任務じゃない」
江架の前にしゃがみ、その頬をすくうように撫でたレオンハルトさん。
「任務なんかじゃねえよ、これは」
秘めた何か。
彼だけの思いじゃない覚悟が僕にも見えた。
「これは俺の宿命であり、正義だ」
そうだろシド兄ちゃん───、
ボソッとこぼされた、小さな小さな声。
ずっと待っていたと、あのとき言っていた。
この日が来るのをずっと待っていたと。
彼は今日という日が来ることを分かっていたんだ、ずっと。
「…お前の魔法はあったかくていいな」
「え…?」
僕の光魔法に触れて、ふっと瞳が落とされた一瞬。
すぐに振り返った表情は、魔法だけでなく背筋までをも凍らせてくる。
「お前らはどうする。逃げるなら逃げろ、太陽を拝む前に焼き尽くされたくはねえだろ」