不滅のユースティティア。
ここを逃げた者なんかが魔法使いなんて言えない。
もし僕が小さな頃から魔力開花していれば、母さんを守れたんじゃないか。
そんな後悔を、僕は数えきれないほど抱えて生きてきた。
魔法を持っているにも関わらず大切な人を守れないなんて、救えないなんて、そんな魔法に意味はない。
「いま持ってる魔力の50倍」
「……え…?」
「必要だ、鍛えられるか。それぐらいないと話にならねえ」
無理だ。
普通であれば、そう答えていた。
あのとき見たものは本来の10分の1もない、と。
僕はそう言われて、絶望と同時に魔法への無限の可能性を感じたんだ。
「今回のことはSSクエスト以上のレベルだ。もちろん俺ひとりでやるつもりだったが、お前らも参加するってんなら邪魔だけはしないでもらいたい」
邪魔。
今ある僕たちの魔法は、手助けどころか目障りだと。
「やります。50倍、なにがなんでも力を付けてみせます」
「ルス…!」
「僕はやる。怖じ気づいたならやめればいいよハオ。…アレフ、ローサも」