不滅のユースティティア。
僕たちは同じ才能を持ってる




目を、開けたくなかった。


たぶん私は安全な場所にいて、ベッドに寝かされていて、今、だれかが部屋に入ってきて。

コトンとそばに置かれた何かがあって、あたたかな香りが鼻先をくすぐった。


しばらくのあいだ、私のベッド脇に立っている人は私のことを見つめていたんだと思う。



「…でっかくなったな、おまえ」



そんなことを優しい声で言うものだから。

もういいかなって、ゆっくりとまぶたを開いた。



「───……」


「…腹、減ってるだろ」



ぼやけた視界は、まぶしい。

カーテンから降りそそぐ光が、忘れたい記憶に「あんなものは嘘だよ」と言ってくれてるみたい。


こうして下から眺めていると、そのピンクブラウンの髪色がどこか懐かしくも思える。



「いやな…、ゆめ、みた……」


「…嫌な夢?」


「夜巳…おばあちゃんが……、家が……、ぜんぶ…燃やされちゃって、」


「…………」



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