クズ男に囚われたら。


***❦



けれど、いつもの違うことをした次の日には、いつもと違うことが起こるもので。



「な……っ。どういうつもりなの、瀬能」

「んだよ。橘花がそうしろって言ったんだろ」

「そ、それはそうなんだけど」



次の日の朝。

昨日と同様、生活指導のため校門に立っていたわたしの目の前に、いつもと違う瀬能が現れた。



ネクタイが……きちんと締めてある。両耳のピアスも、ない。


髪色は相変わらずシルバーアッシュだけど、それでもわたしには青天の霹靂だった。



「頭でも打った……?」

「あ?ひでぇ言いようだな」

「だって、瀬能が身なり整えてくるなんて……」


今までも散々言ってきた。

でも本当に直してくるとは正直可能性の半分も考えていなかった。


で、実際に瀬能が直してきたことは一度たりともなかった。


……のに。


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