極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 都心から一時間、着いたのはみなとみらいだ。
 いつの間にか空は真っ暗で、観覧車のイルミネーションが輝いている。

「この観覧車、乗ったことあるか?」
「いえ、外から見たことは何度かあるんですけど……」
「乗ってみよう」

 チケットを買い、観覧車へ乗り込む。
 上がっていくにつれて景色は広がりを見せ、宝石を散りばめたような色とりどりの幻想的な光に包まれた。

「きれい……」
「そうだな」

 観覧車がもうすぐてっぺんというところまできたとき、「菜乃花」と拓海さんが呼んだ。

「手を出して」
「手……?」

 首を傾げながら手を差し出すと、拓海さんが薬指に指輪をはめてくれた。
 一粒ダイヤの埋め込まれた、シンプルなリングだ。

「拓海さん、これ……」

 拓海さんと指輪を交互に見る。

「菜乃花、四年前にも言ったが、もう一度言わせてくれ」

 拓海さんは私の両手を握り、真っ直ぐに私を見据えた。

「俺と結婚してほしい」

 涙がどんどんこぼれ落ちて止まらなくなる。
 言葉も出てこず、私は何度も大きくうなづいた。
 私の涙を指で拭った拓海さんが、顔を近づけてくる。
 観覧車の頂上で、私たちは世界一幸せなキスを交わした。
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