イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
それからは事前にくじ引きで決めていた班ごとに分かれて、登山がスタートする。
わたしは、たまたま同じ班になった杏奈と真織のあとをついて歩く。
「ねぇ。高校生にもなって、遠足が登山とか微妙じゃない?」
「確かに。私、遊園地とかそういうところが良かったなぁ」
真織と杏奈の話に、わたしはうんうんと頷く。
先生の話によると、心身ともにキツい登山を通して、クラスの親睦を深めるというのがこの遠足の目的らしいけど。
「はぁ……ていうかここ、初心者向けの山って言ってたわりには、キツくない?」
「ほんと。やばい……」
歩き始めた当初は、舗装された広い道が続いていたけれど。途中から道が細くなったり、険しい斜面やゴツゴツとした岩場があったりして、ただ歩くだけでやっとだ。
わたしや杏奈だけでなく、バレー部で運動には自信があるという真織でさえ、はぁはぁ言っている。
最初は楽しくお喋りしながら歩いていたわたしたちだったけど、だんだんと口数が減っていく。