イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
何だか、空気がどんよりとして重いな。
「ねっ、ねぇ、みんな。しんどいけど、普段こんな山登りをすることもあまりないし。せっかくだから、ここは楽しもうよ!」
遠足の実行委員として少しでもこの場の空気を明るくしたいと思ったわたしは大きな声を出し、杏奈や真織よりも前に出て率先して歩き出す。
「ほら、二人とも見て。この辺りすごく良い景色だよ」
空気は少しひんやりとしているけど、辺りは自然豊かで緑がいっぱい。
「空気も美味しいし……」
友達のほうへと振り返りながら、ちゃんと前を見ずに後ろ向きで歩いていたからだろうか。
───ガッ。
わたしは、大きめの石につまずいてしまった。
「きゃあっ」
「危ない!」