イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
───ガシッ。
「大丈夫? 西森さん」
転びそうになったわたしの腕を掴み、咄嗟に助けてくれたのは、三原くんだった。
三原くんが瞬時に強い力で引っ張ってくれたおかげで、転倒は免れることができた。
「あっ、ありがとう……」
「西森さんが転ばなくて良かったよ。もうすぐで山頂だから、あと少しお互い頑張ろう」
三原くんは、わたしにニコッと爽やかに微笑む。
「ごめんね、みんな。このまま山頂までいけそう? 山田さんと瀬古さんは大丈夫? 尾上は?」
同じ班のメンバーに声をかけながら、彼は前を進んでいった。
三原くんは班の人に一人ずつちゃんと声をかけて、同じ班じゃないわたしのことまで助けてくれて。
すごいなと、少しずつ小さくなっていく三原くんの背中を見つめていると。
「依茉ちゃん!」
「大丈夫!?」
杏奈と真織が、心配そうな顔でわたしに駆け寄ってきてくれた。
「三原くんが助けてくれたお陰で、何ともなかったよ」
二人に返事をしながら、そういえば今何時頃だろうと思ったわたしは、体操着のズボンポケットからスマホを取り出す。
昼食のこともあるから、12時を目安に山頂に着くようにと、先生から言われていたから。
12時までは、あと15分。頂上まではもう少しだから、余裕だと思っていたら。
……あれ? わたしは、スマホにある違和感を覚える。