イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 い、いつからそこに……。ていうか一堂くん、先に帰ったんじゃなかったの!?


「さっきから黙って見ていれば……。三原、なに人の彼女を口説いてんの?」

「口説くって。そんな言い方しないでもらえます? 一堂先輩。僕はただ、雨が降りそうだから駅まで送っていこうとしただけです」

「……ちっ。ほんと、ムカつくなぁ」


 一堂くんの鋭い眼光が三原くんからこちらへと向き、わたしは肩が跳ねる。


「三原だけじゃない。依茉もだよ。何ノコノコついていこうとしてるの」


 一堂くんがわたしへと近づき、わたしの両肩をがしっと掴む。


「依茉。キミは今、俺と付き合ってるってこと、ちゃんと分かってる?」

「分かってるよ……」


 分かってるけど。付き合ってると言っても、わたしは『仮』の彼女なのに。


 目の前の一堂くんは、今まで見たことがないくらいとても険しい顔つきをしていて。声だって、いつもより幾分か低くて。


 こっ、怖い。これはもしかして……確実に怒ってる?


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