イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 それからわたしは、一堂くんに手首を掴まれたまま、引っ張られるようにして正門を抜け、通学路をどんどん進んでいく。


 掴まれている手を振りほどこうとするも、男の人の力には到底かなわず、ビクともしない。


「ったく。何なんだ、あいつは……」


 一堂くんがブツブツ言うたびに、わたしの手首を掴んでいる彼の手に力がこもる。


「い、一堂くん。そろそろ手、離して」

「……俺がいるのに、構わず依茉が好きとか言って」

「ねぇ、一堂くんってば!」

「え? あっ、ごめん。何?」


 ようやくわたしの声に気づいたという感じで、一堂くんが後ろを振り向く。


「手首、ずっと掴まれてたら痛いよ」

「あ、悪い……」


 一堂くんが慌てて、わたしから手を離す。


 先ほどまで掴まれていた手首は、ほんのりと赤くなっている。


「ごめん、依茉。痛い?」


 わたしの少し赤くなった手首を、一堂くんがそっと撫でてくる。


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