天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
「やあ、華蓮、今日も一段と……ごふっ」

 いつものように華蓮に挨拶をしようと喋っていたところで、腹に思いっきり頭突きをされた。

「おい、親父、邪魔だよ!」

 もうすぐ三歳になる我が長男の翔紫(しょうし)が上目遣いで睨んできた。

「お前、父に向かってなんて言葉遣いを……ってどこに行く!」

 翔紫は一瞬目を話した隙に、走り去ってしまう。日も落ちているので、外で待機していた女官たちが慌てて皇子を捕獲し、部屋へと連れて来る。

「翔紫、こんな遅くに外に出てはいけませんよ」

「はい、母上」

 華蓮から注意されると、翔紫は素直に従った。

 俺は親父で、華蓮は母上。父と母に対する態度があからさまに違いすぎる。

 翔紫は完全な母っ子で、俺に対して敵対心を持っているようだ。顔立ちは華蓮にそっくりで、口達者なところや、やんちゃなところも華蓮似だ。

 俺たちの子は、華蓮に似たのかと思いきや、実はもう一人。

「ほら、蘭珠(らんじゅ)、お父様にご挨拶しなさい」

 寝台の下の床で、一心不乱に絵を描いていた長女が顔を上げた。
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