天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
 俺の顔を見ると、『ああ、来てたの』みたいな興味なさそうな顔で一瞥され、再び下を向いて絵を描き出した。

 口達者な翔紫に比べて、蘭珠はまだ話さない。女の子なのに、身なりにはまったく興味を示さず、櫛で梳かして結ぼうとすると、とんでもなく抵抗するそうなので、髪はぼうぼうで真っ白な顔立ちの上、喋らないので不気味な雰囲気を醸し出している。

 俺たちの子は双子だった。しかも、男女を入れ替えただけと思うくらい、幼い頃の俺と華蓮にそっくりだった。

 自分や華蓮に似ているとわかってはいても、こんなに手がかかる子どもだったのかと今は亡き両親に感謝をする。

 こんな問題児を育てながら、後宮まで着手するのだから華蓮は凄い。

 それに、最近産まれたばかりの次男の世話もしなければいけない。

 華蓮は寝台に座りながら、まだ頭が座っていない赤ん坊を抱いていた。

「華蓮、顔色が悪いよ。疲れているんじゃないか?」

「えぇ、博陽(はくひ)があまり寝てくれなくて。でも大丈夫よ、乳母がよく面倒をみてくれるから」

 乳母がいるとはいえ、華蓮は自分で乳をあげていた。なるべく自分の手で育てたいというのが彼女の希望なので、尊重するようにしている。
< 233 / 247 >

この作品をシェア

pagetop