天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
(いい子だ)

 翔紫をおろし、再び華蓮の額に軽く口付けをして、部屋を出た。

(なんだこれ、寂しいな)

 外廷に戻りながら、今日は一人寝かとため息が出る。

 華蓮の役に立ちたいし、なにより華蓮の側にずっといたかったので、子育てを手伝おうとしていた時期もあるのだが、肝心の子どもに拒絶されて上手くいかなかった。

 頑張れば頑張るほどから回りし、余計な負担をかけさせるばかりだったので、自分の気持ちは押し殺して、そっと見守るようにした。
 子育てを手伝いたくないとか、自分には向いていないからとか、そんなことはまったく思っていない。これも愛なのだ。

 華蓮はまだしも、子どもたちに伝わっているかは自信がないが。

 不器用なりの父の愛だ。

(あ~、今夜は寒くなりそうだ)

 澄んだ夜空に浮かぶ月を見上げながら思った。

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