天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
 でも、教えているのが娘々じゃなかったら、間違いなく速攻で逃げ出しているに違いない。

 母への異常なまでの執着愛は、雲朔様そっくりだ。

 ちなみに蘭珠様は床に寝そべりながら、『石』を描いている。蘭珠様はお絵描き好きで、いつも黒い丸いものを殴り書きしていると思っていたが、最近それが『石』を描いているということがわかった。

 蘭珠様の『石』の腕前はどんどん上がっていき、まるで本物のような質感の『石』の絵を描く。これも、とても幼児が描いたとは思えない仕上がりだ。

 なぜ『石』なのかは、本人が喋らないので謎のままだ。

「はいはい、わかりましたよ~」

 すっかり重くなった博陽様を抱っこして部屋を出て行く。

 博陽様は、私の話が気に入ったらしくご機嫌だ。

「ああ、あ、ああ」

 と言いながら、話を急かしてくる……ように、見える。

「話の続きを聞きたいのですね。いいですよ。せっかくなので私の生い立ちの話から始めましょうか」
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