彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
まどろみの中で見たのは、昔の記憶。
―瑞希お兄ちゃん・・・・―
―んーどうした?―
―また、遊んでくれる?お兄ちゃん・・・!瑞希お兄ちゃん・・・・―
―そうだな・・・。凛が今よりも、大きく、強くなったら、いいかな・・・―
―背が伸びたら?―
―それもだな・・・。―
―力が強くなったら?―
―それもだな・・・。―
―バイク乗れたらいいの?―
―そういうのもあるけど・・・・心も強くなったらな。―
―瑞希お兄ちゃん・・・凛は瑞希お兄ちゃんが大好きだよ・・・・―
―うん・・・・俺も、凛が大好きだよ。―
懐かしい思い出に、心が洗われる。
(瑞希お兄ちゃん・・・。)
「・・・・クン!・・・ん・・・!」
ん?なにか、雑音がする?
「・・・・れ・・・ん・・・!・・・・クン!」
なに?うるさいな~
「蓮クン!蓮クン!」
蓮?誰それ?
「起きて!凛道蓮クン!!」
凛道蓮・・・?ん!?
(あ、私のことか!?)
そう思った時、意識がはっきりした。
「起きてくれよ!凛道蓮クン!!」
「・・・・・・・・誰、です?」
重たい瞼を開ける。
「蓮クン!!」
それで、私を呼ぶ声が反響したのがわかった。
「気が付いたんだね!?よかった!!」
「・・・高野舟槙(こうや しゅうま)?」
私が見た高野舟槙(こうや しゅうま)は、ロープで手足を縛られ、床に転がっている姿。
「どうしたんで――――!?」
反射的に動こうとして気づく。
「あ!?なにこれ!?」
私もまた、手足をロープで縛られ、床に寝転がっていることに。
同時に、すごく寒いと感じた。
「ここ、どこですか?」
「わからない!さっきから叫んでるんだけど、誰も答えてくれないんだ!それに部屋の中がすごく寒い!秋にクーラーをつけるなんてどうかしてる!!」
「そうですね・・・寒いです・・・。」
あいづちを打ちながら、動く首を動かし、室内を見渡す。
内装は白一色で、側には見たこともない機械が並んでいた。