彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
(人の気配がしない・・・私達だけなの・・・?)
もしそうなら、なんとしてでも逃げた方がいい。
そう思いながら、様子をうかがっていたら―――――――――
「あ!?」
私の目が出入り口らしい扉を見つける。
「蓮クン!?」
「あそこ!出口です!」
そう告げて、身体を起こそうとするが―――――――――
「くっ・・・!?」
(身体に力が入らない!?)
手の感覚がないのは、縛られてるせいかと思ったが、そうでもないらしい。
(気を失ってるうちに、変な薬でも盛られたかもしれない・・・!)
そう思いつつも、身体をよじって、床を這って進む。
「蓮クン、動けるのか!?」
「なんとか・・・!」
身体を必死で動かして、出入り口の方まで行こうしたが――――――――
「クソッ!!」
(身体が言うことをきかない!!)
強烈な倦怠感で、少し這っただけで動けなくなってしまった。
「舟槙(しゅうま)さん、動けそうですか!?」
「ダメだ!!もう・・・・・叫び疲れてへとへとだ!頭もずっとガンガンして痛い・・・!!」
(大声出すだけの余力はあるのか・・・。)
でも―――――――――
(言われてみれば、私も頭が痛い・・・途中で意識が飛びそうになる・・・!)
頭がクラクラしたけど、何もしないでいるわけにはいかない。
「舟槙(しゅうま)さん・・・・・先ほどの連中に、心当たりはありますか?」
「ないよ!恨まれるようなことはしてない!」
「それ、『桐生ほなみさん』に対しても言えますか?」
「っ!?」
私の問いに、舟槙(しゅうま)さんが息をのむのがわかった。
顔を見れば、「なんで知ってる!?」という表情で私を見ていた。
しかし、すぐに舟槙(しゅうま)さんは笑顔を作ると私に言った。