彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







(何を始める気なの・・・?)







戸惑う私の前で、フルフェイスのヘルメットを着けた男が動く。
抱いている小型犬を両手で高くかかげると、機械の上の部分にある穴に入れてしまった。







「キャン!?ギャン!ギャンギャ!!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!」

「えっ!?」







機械の中から、小型犬のものすごい叫び声が上がる。
同時に、血の匂いが漂ってきた。
そして、機械の出口部分になっている場所から何かが落ちてくる。







ビチャビチャ!!


「なに・・・ひぃい!!?」
「なっ!?」







高野舟槙(こうや しゅうま)が身体をのけぞらせて叫び、私は身体がかたまった。
機械の出口部分から出てきたのは、骨と毛がまじったミンチ肉。







(チワワを殺しやがった!!)


「うわあああああああ!!」







そう理解した時、側にいた高野舟槙(こうや しゅうま)がものすごい勢いで、私の側に転がってきた。





「れ、蓮クン!こ、子犬が!!」
「小型犬ですよ。なんてひどいことしやがるんだ・・・!!」

(つーか、お前!動けないとか言いながら、俊敏に動けるじゃねぇかゴミクズ野郎!)





私が心の中で悪態ついてる間も、動き続ける機械。
その出口からは、鮮血(せんけつ)がポタポタと落ち続ける。
そんなものを見ていてもチワワは生き返らないので、心の中で冥福を祈りながら、ヘルメットの男に視線を向けながら言った。







「おい!俺達に小型犬の虐待現場を見せてどうしようってんだ!?」
「・・・。」
「なんとか言えや!!動物愛護団体に通報すんぞ!!?」







メンチをきながら言えば、フルフェイスのヘルメットを着けた男の腕が動く。





「はあ!?」





フルフェイスのヘルメットを着けた男は指をさす。





「えっ!!?」





私の隣にいる高野舟槙(こうや しゅうま)を指さしたのだ。
途端に、私達を誘拐した男達が近寄ってくる。





(まさか―――――――――!!?)


「うわ!?なにするんだ!?」
「舟槙(しゅうま)さん!!」





数人がかりで、高野舟槙(こうや しゅうま)を抱き上げると、チワワをミンチ肉にした機械の方へと運び始めた。
それで、彼らが何をしようとしてるのか理解する私達。






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