彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「それは困る!!」
瑞希お兄ちゃんに愛の告白もしてないのに、死にたくない!!
普通に死にたくないわ!!
それも殺されるなんて冗談じゃない!!
「冗談じゃない!!放せ!!」
暴れてみるが、上手に押さえつけられ、ちゃんと抵抗できない。
それ以前に、薬を盛られたせいか、身体に力が入らない。
両手両足を縛られているので、自由に身体が動かせない。
「放せコラ!!放しやがれ!!」
抵抗するが、刻一刻と、ミンチになる機械との距離が縮まる私。
「クソ共放しやがれ!!後で百倍返しするぞ!!?」
だんだんと、血の匂いが強くなってくる。
私を運ぶ誘拐犯達が、踏み台に足をかける。
それで死への現実味が増した時だった。
「柊護だろう!!?」
「えっ!?」
(柊護さんがいるの!!?)
自分を抱えている男達の顔を見るが、どれもこれも中年のおっさんで若くない。
高野舟槙(こうや しゅうま)へ視線を向ければ、奴は、フルフェイスのヘルメットを着けた男を見ていた。
「お前、柊護だろう!!?なんでこんなことするんだよ!?」
(あれが柊護さん!!?)
そう思った時、口に布を当てられた。
「むぐ!?」
きつい薬品の嫌なにおいがした。
「蓮クンを殺して、大伯母様が助かる確率を下げるのが狙いなんだろう!!?真田瑞希クンの反感を買って、ドナーを拒否させるためにここまでするのか!!?」
(・・・・・・あれが、ヘルメットマンさんなの・・・・・・!?)
朦朧とする意識で、ヘルメットマンさんを見る。
相手は腕組みしたまま、高野舟槙(こうや しゅうま)を見ていた。
「そんなに代替わりしてほしいのか!!?大伯母様に死んでほしいのか!!?今すぐ殺すのをやめさせろ!!」
高野舟槙(こうや しゅうま)の言葉を受け、フルフェイスのヘルメットを着けた男が動いた。
セクハラ野郎に背を向けて、再び私の方へと近寄ってきたのだ。
それにあわせるように、私を機械の入り口に運ぶのをやめる誘拐犯達。