彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「なんの真似だ!!?」
「お前をミンチにしろって合図だ。」
「えっ!!?」
答えたのは、高野舟槙(こうや しゅうま)にナイフを突きつけた誘拐犯。
ガッ!
「うっ!?」
私の髪を、頭をつかんで押さえつけると、数人がかりでさかさまにする。
「なにするんだ!!?離せ!!離しなさい!!」
「ああ、機械の入り口まできたら放してやるよ!!」
ギガガガガ!!
視界に、グルグルと回る鋭利な刃物が映る。
(本当に殺す気なの!!?)
いや!!
こんなところで死にたくない!!
瑞希お兄ちゃんに愛の告白もしてないのに死にたくない!!
(こいつらに、いいようにあしらわれて死ぬのは嫌だ!!)
「ふざけんな!!僕は――――――――俺は!!絶対に死なねぇ!!死んでたまるかっ!!」
助けて助けて!!誰か助けて!!
「今すぐミンチにするのをやめないと、皆殺しじゃ済まねぇぞ!!?」
怖い怖い怖い!!助けて!!死にたくない!!殺さないで!!
そうしてる間に、身体が完全に機械の中へと進み始める。
(もうだめなの!!?)
私はここで終わりなの!?
いやだいやだいやだ!! お兄ちゃん!!瑞希お兄ちゃん!!
―凛♪―
死の淵で、脳裏に浮かんだのは好きな人の笑顔。
「クソッたれ共―――――――!!!テメーら全員地獄に落ちやがれっ!!!!」
(助けて瑞希お兄ちゃ――――――――――――――――――――ん!!!)
口では龍星軍4代目総長として悪態をつき、心の中で瑞希お兄ちゃんに助けを求める。
その時だった。
ギガガガガ・・・・・!!
パチン!!
「え!?」
(真っ暗になった!?)
「なんだ!?」
「明かりが消えたぞ!?」
「どうなってるんだ!?」
「機械も止まっちまったぞ!?」
その言葉通り、ミンチ肉製造機は動きを止めていた。
騒ぐ誘拐犯達の中で、命が延命されたことに安堵する私。