彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「あの~凛君、そろそろいいでしょうか?」
「あ!?ごめんね、涼子ちゃん!早く帰らないと、お家の人が心配するよね!?」
「それもありますが、そうじゃないです!凛君を、かかりつけ医さんのところに運ばないといけないじゃないですか!?」
「あ。」
「あー!!?そうっすよ!!早く凛先輩を病院に運ばないと!!」
涼子ちゃんの言葉で、忘れていた頭痛が再発する。
指摘されたことで、目の前がチカチカしてくる。
何の薬を盛られたかわからないが、明日の朝、起きれなかったらかなり困る。
「・・・雷太、涼子ちゃんを家まで送り届けてくれ。」
「凛先輩!?」
「凛君!?」
「僕一人で、シゲ先生のところへ行くから。」
「そうはいかないっすよ!!俺の原付で送ります!!」
「それだと涼子ちゃんが、乗れな――――――」
「3ケツしましょう!!いいっすよね、小林さん!?」
「はい!凛君のためなら、3人乗りします!!」
「涼子ちゃん!!?」
〔★涼子は犯罪行為に同意した★〕
「ダメだよ、涼子ちゃん!涼子ちゃんに法律を破ることはさせられない!」
「私だけ良い子でいろって言うのですか!!?」
「っ!?」
突然の大声に動きを止めれば、涼子ちゃんは真剣なまなざしで言った。
「この場にいるのが、高千穂さんだったら、ますみさんだったら、瑠華さんだったら、同じ対応しますか?3人乗りをさせませんか?」
「それは――――――――」
「私だけ、差別しないで下さい、凛君!!」
「さ・・・!?差別なんてつもりじゃないんだよ!!君は僕の良心だから、大事に―――――――!!」
「私が差別と感じたら、差別です!!」
「涼子ちゃん・・・。」
「お願い・・・付き添わせて下さい・・・!!」
そう言って、私の服の裾を握り締めてくる優等生。
(・・・確かに、これがカンナさんやますみちゃんやるかさんだったら、3ケツさせてるよね・・・。)
涼子ちゃんの言い分は一理ある。
同時に、親友の言葉がよみがえる。
―ヤバくなったら連絡せーよ。―
「・・・連絡するよ。」
「え?」
「は?」
首をかしげる涼子ちゃんと雷太の前で、凛道蓮のスマホを取り出す。
そして、頼もしい最高の友達へとコールするのだった。