彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
その日、私は日直だった。
日誌を教員室に届け、窓に面した渡り廊下を歩いている時だった。
――――――キュォオオオオン!!
(え!?このエンジンの音は―――――――――!?)
思わず、開いている窓から外をのぞく。
(ごじゅうあらし君?)
バイクの音はごじゅうあらし君のものだったけど、持ち主以外も一緒にいた。
(凛君!!?)
私の胸をときめかせる男の子・凛道蓮君が、ごじゅうあらし君と裏門にいた。
(凛君、凛君だわ!!うちの制服を着て、コスプレしてる凛君がいる!!)
高千穂さんに用事があってきたのかしら!?
でも、高千穂さんはもう帰ってしまっている・・・。
(伝えた方がいいよね?)
それをきっかけに、凛君と話がしたい!!
(せめて、凛君にあいさつだけでも―――――――!!)
はやる気持ちが行動に移る。
先生がいないことを良いことに、廊下を全速力で走った。
(凛君!凛君!!凛君!!!まさか会えるなんて♪)
急いで下駄箱で靴をはきかえていると、バイクの音がした。
キュォ――――――――オオオオン!!
「え!?行っちゃった!?」
焦る気持ちで、裏門を目指す。
肺が痛くなったけど、かまわずに走った。
ギュウ~~~~~~~~~~ウウン!!
走っている途中で、知らないバイクのエンジン音がした。
「ハー、ハー、ハー!」
息切れがする中、カバンを抱えて裏門にたどり着く。
「凛君・・・!」
お目当ての人を探せば――――――――
(いた!!あれ?でも――――――)
いたのは、2人だけど、凛君とごじゅうあらし君の組み合わせじゃなかった。
ごじゅうあらし君はその場におらず、代わりにヘルメットで顔がわからない人が凛君と一緒にいた。
(誰かしら・・・?)
そう思ってるうちに、凛君がヘルメットの人のバイクの後ろに乗った。