彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「よっしゃー!しっかり俺の腰に手を回して、捕まって下さいよ!今行きますよ~!!凛せんぱぁーい♪」
ギュルルルルルン!!
ウキウキしながら、私が伝えた方へと原付バイクを発進させる神楽坂雷太君。
(ど、どうしよう!やっちゃったよ~!)
いくら凛君に会いたいとはいえ、事前に約束もしてないのに、追いかけてたずねるなんて・・・!
(凛君に嫌われたらどうしよう・・・!)
やってしまった後で後悔するけど、もう遅い。
減速はどんどん加速する。
「凛先輩どこっすかー!?」
神楽坂君の浮かれた声が耳に響く。
誰かが言った。
やらずに後悔するよりも、やって後悔した方がいい、と。
その言葉を思い出して改めて私は思う。
(するしないに関わらず、後悔しないような結果にすればいいのでは・・・?)
戸惑う気持ちの中、神楽坂君を見る。
「凛先輩~!凛先輩!凛先ぱぁーい!」
前と左右を見渡しながら、危ない運転で進んでいる。
「凛せんぱぁ~い!」
「ちょ!?」
後ろまで振り返り始めたので、私は叫んだ。
「危ない!危ないです、神楽坂君!前を見て運転して下さい!」
「はあ!?凛先輩を見逃してる方がヤバいっしょ!?」
「だったら、後ろは私が見ます!だから前を―――――――きゃあ!?車!車!!」
パッパッー!
「うるせーなクソが!!」
パラリラー!!
正面から来た車をギリギリで回避する神楽坂君。
その時、車の運転手ににらまれ、謝罪の意味で頭を下げる私。
「車体デカいからって、でかい態度取るなボケ!!」
すれ違いざまに、悪くない車を怒鳴りつる神楽坂君を見て思う。
やっぱり、この子はヤンキーで、凛君はヤンキーの中でも特殊なんだ・・・と。
(どうしよう~凛君に会いたくてついてきちゃったけど、この子怖い!)
帰りたいかも・・・!
(でも、凛君には会いたい・・・・!!)
葛藤する私の心。
だからこそ、神楽坂君の叫びに私は驚いた。