彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「知り合いの未成年が拉致された。今、その現場にいる。」
〈誘拐でございますか!?〉
「『今』のところはな。今から言う住所に、パトカー7、8台送り込んでくれ。」
〈は、はい!!かしこまりました!!〉
「「檜扇柊護さん!!」」
「それと、誘拐の通報が通話途中できれてるのがあるだろう?」
〈は、はい!?えーと・・・あ、はい!若い女性の声で、少年を誘拐した犯人を追跡をしているという通報電話が、途中でつながらなくなりました!もしや、関連性があるのですか!?〉
「大ありだ。俺が言いたいこと、わかるな?」
〈は、はい!!すでにそちらは、近くのパトカーを向かわせています!なので、檜扇様が教えて下さる住所に目的地を変更して急行させます!!〉
「それでいい。」
(この人、凛君を助けてくれる!!!)
真田さんのそっくりさんの言葉に希望が見えた。
「檜扇さん、凛君を助けて下さるのですね!!?」
「ちと黙れ。ここの住所、伝えらんねぇーだろうが。」
座り込む私を冷たい目で見ると、背を向けて数歩離れる檜扇柊護さん。
「なんだよ!!態度は最悪だけど、凛先輩を助ける気があるなら、あの態度も許せるぜ!!やったな、2号さん!!?」
「は、はい!」
(凛君が助かる!!)
歓喜していれば、こちらに背を向けていた檜扇柊護さんが振り返る。
そして、数歩こちらに戻ってきながら言った。
「さっさと立て。行くぞ。」
「え!?」
「凛先輩探しに行くのか!?」
話の流れからすればそうなるよね?
そんな私の予想を、檜扇柊護さんは見事に裏切った。
「探す必要はねぇよ。」
「「え!!?」」
「どこにいるか、目星はついてる。」
「「ええ!!?」」
凛君がどこにいるかわかってるの!? この広い工場内のどこにいるか!?
「あ、あの!」
「どういうことだよ!?」
立ち上がり、檜扇柊護さんの前まで言った神楽坂君が怒鳴る。
「あんた、凛先輩を拉致した奴の仲間か!?だから知ってるのか!?」
普通に考えればそうなる。
これに心底うんざりした表情で、真田さんのそっくりさんは言った。