彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)





「そんなわけあるか、ボケ。声変わり前のガキが、甲高い声で叫ぶな。頭痛がする。」
「ざけんな!説明責任果たせや!!」
「落ち着いて、神楽坂君!!」





突っかかる中学生を止めるため、私も立ち上がって2人にかけよる。







「あの!どうして、凛君がいる場所の目星がついてるのですか?」
「お前、凛道蓮を助けたいんだろう?」
「俺らだ!!そこ間違えるなよ!」
「はぁ~・・・お前ら、凛道蓮が助かればいいんだろう?」
「そうだ!!」
「そうですけど・・・!」
「だったら、ぶつくさ言ってないでついて来い。」







面倒くさそうに言うと、スタスタと歩き始める檜扇柊護さん。





「あ、待てよ!!」
「待って下さい!!」





呼びかければ、首だけで振り返り、私達を見ながら言った。








「くれぐれも、静かについて来い。敵にバレたら厄介だからな!」
「うっ!?」
「は、はい・・・!」








釘を刺される。
それに私達が同意するのを見届けることなく、顔を前に戻す真田さんのそっくりさん。
そんな相手に、私達は顔を見合わせつつも、無言でついて行った。
檜扇柊護さんの歩みに迷いはない。
慣れた様子でスタスタと進む。
少し早歩きだと感じたけど、少しでも早く凛君を見つけることが出来るなら・・・正直、走ってほしいと思った。
しばらく歩くと、ある建物の前で真田さんのそっくりさんは止まった。







「あの!ここに・・・凛君がいるのですか?」
「マジか!?凛先輩ここにいんの!?」
「静かにしろ。」







そう言いながら、スマホを取り出して操作を始める檜扇柊護さん。
その時だった。
聞き覚えのある声が聞こえてきたのは。










「おい!蓮クンをどうする気だ!?その子は檜扇財閥の、檜扇二三人の実子で、檜扇湖亀様のドナーなんだぞ!!?」
「って!?僕は16歳だから、ドナーにはなれないって言ってるじゃないですか、舟槙(しゅうま)さん!!?」
「やめてくれ!蓮クンを、その子を殺さないでくれ!!」
「え!?やっぱりこの流れだと、僕殺される方向ですか!?」
「当たり前だろう!!?何のんきなこと言ってんだ!!?なに今更驚いてんの!!?そうだろう、この流れなら!!!」
「それは困る!!」







そのやり取りで、反射的に顔を見合わせる私と神楽坂君。










「凛君!!」
「凛先輩!!今、行き―――――――――!!」
「まだ動くなっ!!!」










建物の中に入ろうとした私達を、真田さんのそっくりさんが止めた。













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