彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)
「ガキを離せ!!」
ドス!
「ぐあ!?」
バシ!
「ぎゃあ!?」
メキ!
「ぐへ!?」
バキ!
「ぶえ!?」
ゴキ!
「へあ!?」
先陣切って乗り込んだ檜扇柊護さんが、凛君を拘束している誘拐犯達を秒殺する姿が目に映る。
それもたった1人で。
その上で、上半身が機械の中にある凛君を、引っ張り出しながら低い声で言った。
「薬でも盛られたか?」
「え!!?声が違う!!?」
(・・・凛君、お兄さんと間違えたのね・・・)
無理もないわ・・・。
コピーしたみたいにそっくりな顔だもの。
(それでも、声だけで別人と見抜ける凛君のブラコン度がすごい。)
声の違いさえ分からない私にとって、凛君の真田瑞希さんへの愛の深さを思い知らされる結果となった。
「俺とアイツを間違えるようじゃ、真のブラコンとは言えねぇぞ?」
「ヘルメットマンさん!!!?うああああああああああああああああああ!!!間違えたっ!!!!ごめんなさい瑞希お兄ちゃ――――――――――――――ん!!!」
同時に、間違えてショックを受ける凛君を励ましたくなってしまった。
「いくら、顔が同じでも瑞希お兄ちゃんと、感じの悪いお兄さんを間違えるなんて!!!」
「悪かったな。感じの悪い男で。」
「ああああああああああ!!!瑞希お兄ちゃんに嫌われてしまう――――――――!!!!」
「うるせぇ!!耳元で大声で騒ぐな!!・・・それだけ大声出せれば、問題ないな?」
「ちょ!?待って下さい!!」
「あん?甘えんなよ。テメーの手足の拘束は、他の奴に―――――――――――」
「助けて下さり、ありがとうございました!!」
「・・・あん?」
「僕を拘束していた誘拐犯を蹴散らして下さり、ありがとうございました!!おかげで自由になれました!!」
「・・・・・・・まだ、手足の拘束が解けてねぇだろう?」
「え?あ!?そうでした!でも大丈夫です!何とかします!」
凛君が笑顔で言えば、檜扇柊護さんは、あからさまに不機嫌な顔になる。
「チッ!クソが!」
舌打ちすると、凛君の方へと戻り、ポケットから取り出したバタフライナイフで――――――――
「え!?ちょ!?何する気ですか!?」
それで思わず身構えてしまった私に刃物を向けると
ザク!ザクザク!
「あ。」
凛君の両手両足を拘束していたロープを切った。