彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「部落を隠す人もいれば、公言する人もいる。部落を正しく伝えたい人もいれば、部落を悪用する人もいる。それだけです。」
「私・・・部落の人は、みんなツライ思いをしてきたから、優しい人ばかりだと思ってましたが・・・違うみたいですね・・・。」
「そうみたいだね、涼子ちゃん。」








きっと、部落の人々の皆がみんな、高野槙雄みたいなやつじゃないと思う。
だけど、シゲ先生が言ったように、どんな世界にも善と悪がある。
良い人もいれば、悪い人もいる。








「僕らが知り合った最初の部落者が、たまたま悪いやつだったというだけの話ですよ。」
「うん・・・凛君の言う通りですね・・・。」
「俺らハズレを引いたわけっすね、凛先輩!?」
「うははは!凛は引きが強いからのぉ~!!トラブル引き寄せる才能あるわ!!」
「そんな能力いりませんよ!!」
「蓮君、あまり興奮してはいけませんよ。身体によくありません。」
「あ、すみません!シゲ先生!」








それにしても―――――――――








「人の弱みに付け込むとは、恐れ入ったぜ高野槙雄。」
「どういう意味っすか、凛先輩?」
「社会的に、部落者というのは弱者の位置づけにある。高野槙雄は、それを利用して、相手を言いなりにさせようとしてきた。きっと・・・今までの人生も、自分の立場を利用して、自分に有利になるように物事を進めてきたんだろう。」
「それ、真面目に生きてる部落者の奴らの迷惑になりませんか!?余計、差別されるじゃないっすか!!」
「雷太の言う通りだ。真面目に生きてる部落者もいる。いや、元部落者の子孫さん達だね。彼らからすれば、高野槙雄は恥でしかない。だから、部落者の子孫さん達がみんな悪いと思ったらだめだよ、雷太。族の世界だって、硬派と便所の虫でわかれるぐらいだからね。」
「なるほど!!わかりました!!俺、部落者の子孫を公平な目で見ていきます!!」
「うん、ありがとう。雷太は良い子だね。」
「そこは良い弟分だと言って下さいよぉ~!!」
「雷太は俺にとって、良い弟分だ。」
「凛先ぱ~い♪」








笑顔で言えば、ガバッと抱き着かれた。








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