腹黒御曹司の一途な求婚
「小芝ちゃん、どうしたの?何があった?」
人の目が遮られたところで、私は単刀直入に訊ねた。残念ながら時間の猶予はないので。
久高くんのテーブル担当は小芝ちゃんにお願いしていた。彼女はサブチーフなだけあって大抵のことは柔軟に対応できるベテランだ。
だからこそ小芝ちゃんが何か粗相をしたとは考えづらい。
でも万が一トラブルの原因が小芝ちゃんにあったのなら……その際は早急に謝罪をしに行かなくちゃいけない。
真っ青な顔で視線をあちこちに彷徨わせていた小芝ちゃんは、おそるおそるといった様子で震える唇を開いた。
「あの、すみません……私の対応でお客様がお怒りになって、その、責任者を呼んでこいと……」
「分かった、すぐ行くね。でも原因は?教えてもらってもいい?」
できるだけ柔らかい口調を意識して問いかける。
小芝ちゃんを責める気なんて毛頭ない。ミスは誰にでもあること。次に同じミスをしないよう、対策を考えることの方がはるかに重要だと思っている。
けれども小芝ちゃんから伝えられた事のあらましは、私の想像のはるか斜め上をいくものだった。
「そ、その、サーブの際に男性のお客様の腕に、誤って私の手が当たってしまって。それを見た女性のお客様が、その、恋人を誘惑したと、そう仰って……」
「え……?」
なにそれ……と思わず口をポカンと開けてしまいそうになる。
人の目が遮られたところで、私は単刀直入に訊ねた。残念ながら時間の猶予はないので。
久高くんのテーブル担当は小芝ちゃんにお願いしていた。彼女はサブチーフなだけあって大抵のことは柔軟に対応できるベテランだ。
だからこそ小芝ちゃんが何か粗相をしたとは考えづらい。
でも万が一トラブルの原因が小芝ちゃんにあったのなら……その際は早急に謝罪をしに行かなくちゃいけない。
真っ青な顔で視線をあちこちに彷徨わせていた小芝ちゃんは、おそるおそるといった様子で震える唇を開いた。
「あの、すみません……私の対応でお客様がお怒りになって、その、責任者を呼んでこいと……」
「分かった、すぐ行くね。でも原因は?教えてもらってもいい?」
できるだけ柔らかい口調を意識して問いかける。
小芝ちゃんを責める気なんて毛頭ない。ミスは誰にでもあること。次に同じミスをしないよう、対策を考えることの方がはるかに重要だと思っている。
けれども小芝ちゃんから伝えられた事のあらましは、私の想像のはるか斜め上をいくものだった。
「そ、その、サーブの際に男性のお客様の腕に、誤って私の手が当たってしまって。それを見た女性のお客様が、その、恋人を誘惑したと、そう仰って……」
「え……?」
なにそれ……と思わず口をポカンと開けてしまいそうになる。