仮面夫婦は仮面を剥ぎ取りたい。〜天才外科医と契約結婚〜
* * *
新婚旅行はあっという間で、今日が最終日となる。
明日は一日移動となるので、思う存分遊べるのが今日が最後になるのだ。
昼間はロコモコ、パンケーキといったハワイアングルメを楽しみ、夕方からはサンセットディナークルーズを楽しむことになっている。
ハワイの最後の夜を楽しむに相応しい、ロマンチックなパノラマビューとともに豪華なディナーをいただくという正にセレブな過ごし方だろう。
杏葉は真っ赤なカクテルドレスに着替えた。
いつの間に用意したのか、壱護が用意してくれたものだった。
「へぇ、似合うな」
「……っ」
普段なら当たり前じゃない、と強気に返すところだけど、杏葉は上手く返すことができなかった。
壱護が選んでくれたドレスを着こなせていた嬉しさと、ブラックスーツに身を包んだ壱護があまりにも眩しくて言葉を失ってしまう。
「(ずるい程カッコ良すぎない……?)」
長身で足が長く、スタイルが抜群なことがパッと見ただけでよくわかる。
百八十二センチの長身は、百七十センチの杏葉と並んでも全く見劣りしない。
「行くか」
差し出された右手をそっと取り、そのままエスコートされてクルーズ船に乗り込んだ。
胸の高鳴りとときめきが止まらないのは、ハワイのオーシャンビューへの期待が高まっているからなのか。
それとも隣にいるのが壱護だからなのか。