御曹司は初心な彼女を腕の中に抱きとめたい
結局ホテルでゆっくりと過ごし、そのあとぶらぶらとショッピングを楽しんだ。
私のマンションへ送ってもらい、そのまま彼は私の部屋に泊まっていった。
まさか今日彼が泊まるとは思ってもおらず、いつもの殺風景な私の部屋を見せるのは恥ずかしかった。
でも今日このまま別れるのは悲しくて、彼を部屋にあげた。
昨日からずっとふたりで過ごし、彼との距離が近くなった。その分離れるのが辛い。部屋の中でも彼の腕をぎゅっと抱きしめてしまうと彼はそのまま私にキスをした。昨日から何度キスをしても私の胸はドキドキと苦しくなり、いつか慣れる日が来るのかもと考えたが、そんなのは今想像もつかないくらい未来の話だと思った。
「蒼生さん、お腹空いてますか? 何か夕飯を作りましょうか?」
「みちるが作ってくれるの?」
「でも買い物に行ってないからオムライスとかですけど」
私が提案すると彼は身を乗り出し、喜んでくれた。キッチンに立つと彼はそのまま付いてきて私が料理するのをずっと眺めていた。私のオムライスなんてなんの変哲もない、いたって普通のケチャップライスのもの。そんなに見られると恥ずかしいから、と何度伝えても離れてくれなかった。
コンソメスープと一緒に作ると彼はテーブルに並べてくれた。
「いただきます」
並んで私の部屋で食べるオムライス。なんだか本当に付き合っているんだなと実感し、胸の奥がくすぐったい。
「うまい」
彼の言葉にホッと安堵した。私は食べるのが大好きだけど、料理はいたって普通のものしかできない。レストランを真似したくても再現なんて出来ないから、外食は趣味として、平日は本当に普通の家庭料理だ。そんな料理を美味しいと言ってもらえ本当に安心した。
「みちるは手際がいいんだな。あっという間にスープまでできてしまうなんてすごいよ」
「こんなものしか作れないんです。褒められる方が恥ずかしい」
「俺なんて何もできないよ。仕事で帰れない時なんてカップ麺やコンビニのおにぎりばかり。こんな仕事しているのに自分は不規則だし管理不足なんだ」
苦笑いを浮かべながらそう言っていた。確かに帰れない日も多いって言っていた。買ったものばかりだと栄養バランスが取れなさそう。思わず私は「だったら時々食べに来てください」と言ってしまった。
「え? 本当にいいのか?」
驚いたように声を上げる彼はいつもより少し幼く見えた。
「えぇ。でもおしゃれなご飯は作れないし手抜きも多いです。それでも良かったら……」
「嬉しいよ!」
「あ、でも部屋もこんな感じでちっともおしゃれではないし、恥ずかしいんですけど」
「とても落ち着く部屋だと思うけど。木の家具も、置かれた観葉植物もなんだかゆっくりした気分になるよ」
そう言ってもらえて嬉しい。カラフルな可愛らしい部屋ではないが、私にとって初めての一人暮らしなので自分なりに安らげるように考えたつもりだった。でもそれは落ち着きすぎていて少し若さがないとも感じていた。だから今日彼に部屋を見せてがっかりされてしまうかも、と少し考えていたのだ。
「蒼生さんの部屋はどんな感じですか?」
「俺の部屋? うーん、割と黒の家具が多いかな。割とシックな感じにしているけど、いざ住んでみたら、夜帰ると暗いなって感じるよ。少し色がある方がいいかなとは思っている。でも忙しくて寝に帰るだけだから、そのまま放置になっているよ。片付いていないからみちるには見せられないよ」
苦笑いを浮かべていた。
想像でしかないが、シックな部屋と聞いて彼に似合いそうだと思った。でも確かに色がないと寂しく感じてしまうのかもしれない。けれど彼に似合う色はなんだろうと頭の中を巡らせるとなんだか楽しくなった。
彼は食器や器具を手際よく洗ってくれた。私がやると言っても、ご馳走になったんだからこのくらいは、と言って片付けてくれた。
家ではやらないと言っていたけれど、きっとやらせたらなんでもできる人なんだと思う。きっと時間がないだけで、元々そつなくこなせる人なんだろう。
あっという間に片付くと私はお風呂を勧めた。
一緒に入らないの? と聞かれ、ドキッとしたが首を横に振った。恥ずかしすぎて私にはだいぶハードルが高かったと話したら、クスッと笑っていた。
お風呂から出てきた彼はいつもの匂いと違う。ホテルの時にはあまり感じなかったが、今は私の家のシャンプーのにおいだった。
そのことに気がついてしまうと、なんだかくすぐったい。付き合っているって感じがして彼を直視できなかった。
すると彼は私の頭に手を乗せ、「みちるも入っておいでよ」と甘い声で言われた。私は顔が火照るのを感じ、顔を隠すようにバスルームへ逃げ込んだ。
私のマンションへ送ってもらい、そのまま彼は私の部屋に泊まっていった。
まさか今日彼が泊まるとは思ってもおらず、いつもの殺風景な私の部屋を見せるのは恥ずかしかった。
でも今日このまま別れるのは悲しくて、彼を部屋にあげた。
昨日からずっとふたりで過ごし、彼との距離が近くなった。その分離れるのが辛い。部屋の中でも彼の腕をぎゅっと抱きしめてしまうと彼はそのまま私にキスをした。昨日から何度キスをしても私の胸はドキドキと苦しくなり、いつか慣れる日が来るのかもと考えたが、そんなのは今想像もつかないくらい未来の話だと思った。
「蒼生さん、お腹空いてますか? 何か夕飯を作りましょうか?」
「みちるが作ってくれるの?」
「でも買い物に行ってないからオムライスとかですけど」
私が提案すると彼は身を乗り出し、喜んでくれた。キッチンに立つと彼はそのまま付いてきて私が料理するのをずっと眺めていた。私のオムライスなんてなんの変哲もない、いたって普通のケチャップライスのもの。そんなに見られると恥ずかしいから、と何度伝えても離れてくれなかった。
コンソメスープと一緒に作ると彼はテーブルに並べてくれた。
「いただきます」
並んで私の部屋で食べるオムライス。なんだか本当に付き合っているんだなと実感し、胸の奥がくすぐったい。
「うまい」
彼の言葉にホッと安堵した。私は食べるのが大好きだけど、料理はいたって普通のものしかできない。レストランを真似したくても再現なんて出来ないから、外食は趣味として、平日は本当に普通の家庭料理だ。そんな料理を美味しいと言ってもらえ本当に安心した。
「みちるは手際がいいんだな。あっという間にスープまでできてしまうなんてすごいよ」
「こんなものしか作れないんです。褒められる方が恥ずかしい」
「俺なんて何もできないよ。仕事で帰れない時なんてカップ麺やコンビニのおにぎりばかり。こんな仕事しているのに自分は不規則だし管理不足なんだ」
苦笑いを浮かべながらそう言っていた。確かに帰れない日も多いって言っていた。買ったものばかりだと栄養バランスが取れなさそう。思わず私は「だったら時々食べに来てください」と言ってしまった。
「え? 本当にいいのか?」
驚いたように声を上げる彼はいつもより少し幼く見えた。
「えぇ。でもおしゃれなご飯は作れないし手抜きも多いです。それでも良かったら……」
「嬉しいよ!」
「あ、でも部屋もこんな感じでちっともおしゃれではないし、恥ずかしいんですけど」
「とても落ち着く部屋だと思うけど。木の家具も、置かれた観葉植物もなんだかゆっくりした気分になるよ」
そう言ってもらえて嬉しい。カラフルな可愛らしい部屋ではないが、私にとって初めての一人暮らしなので自分なりに安らげるように考えたつもりだった。でもそれは落ち着きすぎていて少し若さがないとも感じていた。だから今日彼に部屋を見せてがっかりされてしまうかも、と少し考えていたのだ。
「蒼生さんの部屋はどんな感じですか?」
「俺の部屋? うーん、割と黒の家具が多いかな。割とシックな感じにしているけど、いざ住んでみたら、夜帰ると暗いなって感じるよ。少し色がある方がいいかなとは思っている。でも忙しくて寝に帰るだけだから、そのまま放置になっているよ。片付いていないからみちるには見せられないよ」
苦笑いを浮かべていた。
想像でしかないが、シックな部屋と聞いて彼に似合いそうだと思った。でも確かに色がないと寂しく感じてしまうのかもしれない。けれど彼に似合う色はなんだろうと頭の中を巡らせるとなんだか楽しくなった。
彼は食器や器具を手際よく洗ってくれた。私がやると言っても、ご馳走になったんだからこのくらいは、と言って片付けてくれた。
家ではやらないと言っていたけれど、きっとやらせたらなんでもできる人なんだと思う。きっと時間がないだけで、元々そつなくこなせる人なんだろう。
あっという間に片付くと私はお風呂を勧めた。
一緒に入らないの? と聞かれ、ドキッとしたが首を横に振った。恥ずかしすぎて私にはだいぶハードルが高かったと話したら、クスッと笑っていた。
お風呂から出てきた彼はいつもの匂いと違う。ホテルの時にはあまり感じなかったが、今は私の家のシャンプーのにおいだった。
そのことに気がついてしまうと、なんだかくすぐったい。付き合っているって感じがして彼を直視できなかった。
すると彼は私の頭に手を乗せ、「みちるも入っておいでよ」と甘い声で言われた。私は顔が火照るのを感じ、顔を隠すようにバスルームへ逃げ込んだ。