御曹司は初心な彼女を腕の中に抱きとめたい
私がお風呂から出てくると彼はテレビを見ていたが、すぐに横に座るようぽんぽんと叩いた。
その行動にまた胸がキュンとなる。
私が隣に座ると、腰に手を回された。

「うん、みちるの匂いがする。この部屋は何もかもみちるの匂いで幸せになるよ」

匂いの話って結構ナイーブな内容だと思う。けれど、彼は私の匂いが好きだと言ってくれる。恥ずかしいけど嬉しかった。

「でも今は蒼生さんも私と同じ匂いの気がします。いつもの匂いと違うの。うちのシャンプーのにおいだと思う。一緒の匂いって不思議ですね」

そう伝えると、彼は笑っていた。

「そうか、俺もみちると同じ匂いになっているのか。もっとよく確認してみて」

そう伝えると彼に引き寄せられ、唇を重ねた。
私のシングルベッドに抱き上げられ、彼は覆い被さってきた。そして昨日を思い出すように彼に翻弄された。
ギシギシと軋むベッドの音と声にならない私の吐息だけが妙にリアルだった。彼の息遣いが私の耳に入ってくるとお腹の奥がキュンとなり、どうしたいいのかわからないもどかしい気持ちになった。彼の首に手を伸ばすとしがみつき、もっと近づきたいと私も彼を求めてしまった。
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