社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「トラップ増やしましょうか?例のも仕掛けます?」

「そうだな。頼んでいいか?」

「はい」

 花田部長がうなずいた。彼は若いが優秀だ。陽樹の子飼いの一人。俺とは違うが、早くから目を付けられて大切に育てられてきた。

「専務。財団の第二営業部で不正に感づいた者がいました。関根課長です。彼は事務アシスタントと何か気付いたらしくて、帳簿を探しにきていて会いました。実は彼は俺が誰だか気付いたようで……」

「関根君と言えば、グループ内でも有名な仕事の出来る課長だよね」

 花田部長が言った。

 その通り、大きな美術展を企画し、成功させたのは彼だ。美術界では結構有名人になった。うちには彼がいるというだけで、仕事が舞い込むようになったのだ。
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