社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「ヨレヨレの格好してたのに、エリートだったんですね」

 斉藤さんも笑いながら言う。

「変装もいまいちだったかもしれないな。関根課長に気づかれたし、畑中専務は本社で何か言われて気づいたんだろう」

 三人で笑っている。私は笑う気になれなかった。

 その後、事件のことがどうなったか、彼と関根課長が説明してくれた。

 あの日彼らが私達に薬を使った事実は、病院の検査で証明された。だが、周りには私達の事件の詳細は伏せられた。

 暴行は未遂に終わったこともあり、私達もあのふたりや専務を調べていたことを知られたくなかった。

 社長は関与を疑われて辞任し、畑中専務、営業二部の部長、長田さん、峰山さんは解雇。

 本社も担当役員の木下取締役が罷免させられて、会社を追われた。
< 149 / 385 >

この作品をシェア

pagetop