社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 彼は私の手からグラスを取り上げると、コースターに載せて、遠くへ置いた。

 そして、私を自分の方へ向けると目を見て言った。

「里沙、すまない。話すのが遅くなってしまった。後始末に追われて君のことが後になってしまった。でも俺は……」

 私は彼の口の前に手を置くと、言った。

「いいの、わかった。もう、お別れなんだもの……色々ありがとうございました」

 私はよろけながらも立ち上がって彼に頭を下げた。すると、彼に抱き寄せられた。

「そんな顔をさせたかったんじゃない。帰る前にきちんと君と話したかった。里沙、俺は君に惹かれてる」

 その言葉を聞いて、彼にしがみついて泣いてしまった。
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