社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「里沙、泣かないでくれ。君は俺のことを……」

「そんなこと聞くの?あなたの素性を知る前から私は……」

 泣き濡れた目で彼を見上げた。彼は私を見て、涙を親指でなぞって拭くと、そっと唇をなでキスを落とした。

 私は離れたくなくて身体を寄せてキスをねだった。すると、タガが外れたかのように彼のキスが深くなった。

「……あ、ああ」

 口づけの音がする。身体を寄せ合い、止まれない。

「……里沙……ここではだめだ。おいで」

 身体を離して耳元に唇を寄せそう言うと、私の手を引いてあの出口から通りへ出た。通りを渡ったところにシティホテルがあった。
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