社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「なるほど。そういうことですか。スパイの店?」

「そうだね、氷室の関係者といっても誰でも入れるわけじゃあないんだ。接待に使うこともあるけれど、ここを使うにはすべて理由がある。こちらで事情を把握したうえで、ということになるからね……」

「じゃあ、私勝手に来たらダメだったんじゃないですか?」

「んー。賢人が連れてきたって事は最初の審査に合格してるのさ。あの最初の日、帰り際に賢人が君は今後来ないって言ってただろ?そんなわけあるかよ。それなら最初からここに連れてこないよ」

 私はなんと答えていいのかわからず、カクテルを見つめたまま黙っていた。

「さあて、何が聞きたいの?あいつの知り合いが来るといけないから早めに聞いてね」

 私は彼の目を見て、単刀直入に聞いた。食べもせずお酒を飲んで回ってきたのだろう。度胸がついてしまっていた。
< 183 / 385 >

この作品をシェア

pagetop