社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 ニヤリとした目の笑い方に見覚えがある。鈴木さんだよね?キョロキョロしたら、お腹を抱えて笑ってる。

「どういうこと?す、鈴木さんなの?」

「まあ、服はいちおう偽装潜伏用のものだから。眼鏡や靴はもう遅い時間だし、誰も見ていないから取り替えたわけ。さてと、時間も遅いから手早く食べて帰ろうかね」

 そう言って、裏通りをあちこち曲がって、とあるビルの裏口から階段を上っていく。足が速い。私は必死でついていった。一体何者なの?社内で見た雰囲気とのあまりの違いに開いた口が……。
 
 しかし、連れて行かれたところはこじんまりとした喫茶店兼バーだった。ほら、こういうのもあったじゃない。バーで探偵とか……。やっぱりドラマみたいだよ。

「あれ、賢人。どうした?」

「文也。悪いが個室借りたい」

 鈴木さんは文也さんという人の話を遮ると個室らしき所を指さしている。
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