社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「北村さん。ここで俺らを見たことは黙っていてもらおうかな。他の奴に話したりすると、あとで畑中さんからお仕置きされちゃうぞ」

「おい、長田。余計なこと言うなよ」

 峰山さんが言う。

「北村さん。とにかく俺らに会ったことは忘れてほしいな。そうじゃないと、どうしようかな……」

 そう言いながら近づいてきた長田さんが私の頬を指で撫でるように触った……気持ち悪い、タバコの匂いが強い。こちらをじっと見られて足が震える。そこへ、後ろから声がした。

「何をしているんですか、こんなところで……女性ひとりを男二人で囲い込んで」

 低い声がする。ふたりは振り返ってその人を見た。背筋を伸ばした眼鏡によれよれスーツの彼。鈴木さんだった。
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