社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「本来なら、専務のことは僕に伝えるべきじゃない立場だと思う。だが、この間話したと思うけど少し不審なことが続いてね、調査してもらっているんだ。専務が何か気付いているようで昨日から無断外出が多いし、ピリピリしているのはわかってる?」

「……はい。こんなことは初めてです。急なスケジュール変更も多くて、管理しきれない状態です」

「北村さん。畑中専務のことで何かあったら、すぐに鈴木さんか、私に連絡して。専務には何も話さないで。いいね」

「……はい」

 そのまま打ち合わせ室を出た。

 専務は自分の別室に入ったっきり、出てこない。私は自分のフロアの席で仕事をした。

 専務の側にいないほうがいいだろう。とにかく一人になりたいという意思表示をされたから。昼近くなって声をかけられた。
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