愛の街〜内緒で双子を生んだのに、孤高の副社長に捕まりました〜
第5章 いいわけばかりの自分にサヨナラを
職場復帰
「真山さん、海外事業部から副社長あてに来週金曜日の会議への出席要請が来ています。その日は、関口商会の会長との会食が予定されていますが」
天瀬商事最上階の秘書課にて、パソコンに向かって龍之介のスケジュール調整をしている有紗に同僚が問いかける。
「来週、金曜」
有紗は呟いてタブレットを開き、件の会議の議題をチェックする。
確かに彼が出席した方がよさそうではある。けれど、会食はキャンセルできない。
「事前に議案に関する各課からの提案を挙げるよう伝えてください。それに対する副社長からの意見をお渡しします。次の会議へは出席できるよう調整します」
有紗が同僚に伝えると、彼女は頷いた。
その時、時計がポーンと鳴り十二時を知らせる。
オフィスの空気が少し緩んだ。昼休憩だ。
有紗も一旦切りをつけて、パソコンを閉じた。
以前は龍之介の外出に付き添うことも多かったから、時間通りに休憩を取れることは少なかったが、復帰してからはほぼ内勤だ。
大抵は時間通りに休憩が取れる。
育児に仕事にと忙しい中で唯一本当に休憩できる時間だ。
持ってきたおにぎりをカバンから出すと、隣の席の同僚が話しかけてきた。
「どう? 真山さん、だいぶ慣れた?」
「はい、だいぶ慣れました」
有紗が復帰して一カ月が経った。
はじめは、慣れないリモートワークと短い勤務時間で彼の秘書が務まるかと不安だった。実際、落ち着くまで時間はかかったが、ようやく軌道に乗り始めた。
「なんか、いろいろやりにくくてすみません」
同僚が首を横に振った。
「ううん、戻ってきてくれて助かってるよ」
天瀬商事最上階の秘書課にて、パソコンに向かって龍之介のスケジュール調整をしている有紗に同僚が問いかける。
「来週、金曜」
有紗は呟いてタブレットを開き、件の会議の議題をチェックする。
確かに彼が出席した方がよさそうではある。けれど、会食はキャンセルできない。
「事前に議案に関する各課からの提案を挙げるよう伝えてください。それに対する副社長からの意見をお渡しします。次の会議へは出席できるよう調整します」
有紗が同僚に伝えると、彼女は頷いた。
その時、時計がポーンと鳴り十二時を知らせる。
オフィスの空気が少し緩んだ。昼休憩だ。
有紗も一旦切りをつけて、パソコンを閉じた。
以前は龍之介の外出に付き添うことも多かったから、時間通りに休憩を取れることは少なかったが、復帰してからはほぼ内勤だ。
大抵は時間通りに休憩が取れる。
育児に仕事にと忙しい中で唯一本当に休憩できる時間だ。
持ってきたおにぎりをカバンから出すと、隣の席の同僚が話しかけてきた。
「どう? 真山さん、だいぶ慣れた?」
「はい、だいぶ慣れました」
有紗が復帰して一カ月が経った。
はじめは、慣れないリモートワークと短い勤務時間で彼の秘書が務まるかと不安だった。実際、落ち着くまで時間はかかったが、ようやく軌道に乗り始めた。
「なんか、いろいろやりにくくてすみません」
同僚が首を横に振った。
「ううん、戻ってきてくれて助かってるよ」