御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「おはようございます」
有紗は緊張したまま口を開く。昨日よりは少し落ち着いた気持ちで彼を見ることができた。
「久しぶりのベリが丘はどうだ? 迷わずに来られたか?」
有紗の緊張をほぐすためか、彼はまず世間話から入る。
「はい」
「昨日は驚かせて悪かった」
「いえ、大丈夫です」
その彼に有紗は最低限のことしか答えられない。
この人事を断るために、どう言えばいいかわからなくて不安だった。
有紗の意思を尊重すると彼は言ったが、普通は会社からの辞令は断れない。
双子を育てていくために、仕事を失うわけにいかない。
「そう警戒しなくてもいい。私は君の意思を尊重すると言ったはずだ。どう転んでも君が不利な状況にはならないと約束する」
キッパリと言って、彼はわずかに首を傾げた。
「まずは君の意思を聞こうか」
有紗は、膝の上に置いた手をギュッと握った。
「ひ、秘書室への異動はお断りいたします」
一気に言って目を伏せる。昨日散々心の中で練習した言葉だ。
「理由を尋ねても?」
龍之介の問いかけに、有紗は沈黙する。
断りたい理由はふたつ。
彼に双子のことを知られるわけにはいかないから。
もうひとつは、現実的に考えて双子を育てながらの勤務で彼の秘書は務まらないからだ。
でもどちらの理由も言うわけにはいかない。かといって、彼が納得できそうな適当な理由は思いつかなった。
黙り込む有紗に、龍之介がため息をついた。
「原因に、心あたりがないわけではないが……。とりあえず、そのことは一旦保留にしよう。今日私は君にもうひとつ話があるんだ」
そう言って彼は、有紗に茶封筒を差し出した。
思いがけない言葉に、有紗は訝しみながら茶封筒を手に取る。中身を確認して、息が止まりそうになった。
「これ……!」
有紗は緊張したまま口を開く。昨日よりは少し落ち着いた気持ちで彼を見ることができた。
「久しぶりのベリが丘はどうだ? 迷わずに来られたか?」
有紗の緊張をほぐすためか、彼はまず世間話から入る。
「はい」
「昨日は驚かせて悪かった」
「いえ、大丈夫です」
その彼に有紗は最低限のことしか答えられない。
この人事を断るために、どう言えばいいかわからなくて不安だった。
有紗の意思を尊重すると彼は言ったが、普通は会社からの辞令は断れない。
双子を育てていくために、仕事を失うわけにいかない。
「そう警戒しなくてもいい。私は君の意思を尊重すると言ったはずだ。どう転んでも君が不利な状況にはならないと約束する」
キッパリと言って、彼はわずかに首を傾げた。
「まずは君の意思を聞こうか」
有紗は、膝の上に置いた手をギュッと握った。
「ひ、秘書室への異動はお断りいたします」
一気に言って目を伏せる。昨日散々心の中で練習した言葉だ。
「理由を尋ねても?」
龍之介の問いかけに、有紗は沈黙する。
断りたい理由はふたつ。
彼に双子のことを知られるわけにはいかないから。
もうひとつは、現実的に考えて双子を育てながらの勤務で彼の秘書は務まらないからだ。
でもどちらの理由も言うわけにはいかない。かといって、彼が納得できそうな適当な理由は思いつかなった。
黙り込む有紗に、龍之介がため息をついた。
「原因に、心あたりがないわけではないが……。とりあえず、そのことは一旦保留にしよう。今日私は君にもうひとつ話があるんだ」
そう言って彼は、有紗に茶封筒を差し出した。
思いがけない言葉に、有紗は訝しみながら茶封筒を手に取る。中身を確認して、息が止まりそうになった。
「これ……!」