断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第21話 その宣戦布告、受けて立ちましょう

 「最悪……」

 わたしの祈りをあざ笑うかのように、ユイナは真っ先に山田のカップに紅茶を注いだ。
 王子ルート確定だ。
 それは確実にギロチンエンドに近づいたってことで。

「問題ありませんわ、ハナコ様」

 泣きそうなわたしとは対照的に、未希が余裕の表情でニヤっと笑った。

「これで今後の対策が立てやすくなったと言うもの。どうぞこのジュリエッタにお任せください。王子ルートはいちばん頭に入っていますから」

 そうだ、わたしはひとりじゃない。
 未希と、それから健太っていう、心強い味方がふたりもいるんだ。

「そうね。ここで諦めるなんて、わたくしらしくないものね」
「それでこそハナコ様ですわ」

 よし、俄然勇気が湧いてきた。
 落ち込むのは性に合わないし、これから本気出してデッドエンドを切り抜けてやる!

 景気づけに冷めかけの紅茶を飲みほした。
 結果が出た今、ユイナたちをのぞき見する理由はもうないし。

「あとはティータイムをたのしみましょう? ジュリエッタ」
「はい、ハナコ様。今日はとことんお付き合いいたしますわ」

 うなずいて、自分と未希の分、手ずからおかわりの紅茶を注いだ。いつもは誰かにやってもらう立場だけど、たまにはこんな日もあっていいんじゃない?

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