断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第七章 いざ、最終決戦

第50話 夢で見た天使

「ジュリエッタ、今日は少しつきあってくれるかしら?」
「……もちろんですわ、ハナコ様」

 うをっ、ニッコリしてるくせにちっとも目が笑ってねぇ。

 山田とのことを報告したかったから声をかけたんだけど。
 未希ってば最近忙しいらしくって、誘ってもパジャマパーティーに来てくれないんだよね。なんでも冬休みに貴腐人の祭典があって、薄い本を作るのに忙しいんだとか。

 全員が仮面をつけて参加する会員制の仮面マーケット。通称カメケでは知り合いに会っても、お互いそ知らぬふりをするって話。身分差を越えた熱きたぎりが、その空間にはあるらしい。

 それはさておき、放課後になって学園の貸し出しサロンに移動して。
 備え付けの茶器でハーブティーを用意しながら、未希が遠慮がちに声をかけてきた。

「ハナコ様、申し訳ないのですが今日はあまり時間がありませんの。手短にお願いできますでしょうか?」
「どうしたの、未希? もう誰も見てないよ?」

 なんでまだジュリエッタ仕様?
 このサロンは鍵もかかるから、貴族モードはオフにしても大丈夫なのに。

「ですが胸のリボンが……」
「ああ、これね」

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