断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 すぐに気づくなんて、さすがは未希だな。実は今つけてる制服のリボン、あの日リュシアン様から返されたGPS付きのやつなんだ。
 ただ、以前はカメラ機能もあったけど、今回は位置情報だけにしてあるって説明されて。

 最近、関係者を装って学園内に紛れ込む人間が増えてるらしくって、身分の高いわたしは念のためつけておいてほしいって言われてさ。
 いつだか馬車降りてヨボじいを助けたことあったじゃない? そのときに健太に捕まった男子生徒も、取り調べで部外者だって判明したって話。

 そんな状況でわたしが図書館とか独りで出歩くもんだから、山田が気が気じゃなくて落ち着かないらしい。だから「せめてどこにいるかだけは把握させてくれんかのぅ」って泣き落としされちゃった。
 山田に位置情報が筒抜けになるけど、学園内だけならまぁいいかって今こうして身に着けているってワケ。

 理事長に呼ばれた(くだり)からそのことまでを、未希にかいつまんで説明した。初めは面倒くさそうに聞いてた未希も、最後の方は興味津々って感じになって。

「なるほどね。華子が納得したなら、ま、それでいいんじゃない?」
「うん、卒業してからも変につきまとわれるよりはいいかと思ってさ」
「にしてもシュン王子の想いがそこまでとはね。女は愛されてなんぼって言うし、そのまま受け入れたっていいとわたしは思うケド」
「また他人事だと思って。未希だって好みじゃない男なんて無理なクセに」
「わたしの条件はオタ活を自由にやらせてくれるかどうかだけだから。華子みたいに外見にこだわってる方が意味不明」

 うっ、そんなふうに鼻で笑わないでよ。

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